建設コンサルタンツ協会東北支部長
菅原 稔郎

 平素より、一般社団法人建設コンサルタンツ協会東北支部の活動に対し、格別のご理解とご高配を賜り、厚く御礼を申し上げます。
東北支部は会員数102社(H29.4現在)を擁し、長年に亘り、東北地方の防災・減災をはじめとする社会資本整備全般に対して、技術をもって貢献してまいりました。

 東日本大震災から6年が経過しました。現在、各地で復旧・復興の工事が進められ、復興は順調に進んでいるように思われますが、今も12万人以上の方が仮設住宅や親族宅などで避難生活を続けております。災害公営住宅の建設や宅地造成の遅れ、原発事故の影響などで避難生活はさらに長期化する見通しです。
避難中の体調悪化などが原因の震災関連死は福島県で2,086人(H28.9)にも及び、直接死者数の1,828人を上回る事態となっております。原発事故が復興を遮っているように思われますが、一日も早い生活再建が望まれるところです。

当支部会員の被災地への最大の支援は、業務を通じて一日でも早く復興の実現を図ることであり、さらに震災前からの人口減少、高齢化など多くの課題を払拭し、地域を再生させることであります。今年度も引続き、復興・再生支援を最優先課題として事業に取り組む所存です。
震災のほかにも、東北地方は、一昨年9月に「関東・東北豪雨」、昨年8月には岩手県を襲った台風10号など、毎年のように激甚災害に見舞われております。
このように頻発する激甚災害の要因は、自然災害への対策がまだまだ不十分であることを示唆しております。地震・津波、火山噴火、ゲリラ豪雨・豪雪、斜面崩壊の対策など、多くの災害防除を検討し、対策を推進する必要があります。
また一方では、老朽化しつつある多数のインフラの維持更新の推進など、公共事業をめぐる課題は山積しております。これらの課題は以前から指摘されてきましたが、災害の頻繁化や大規模化、高齢化への配慮などから、急速に課題解決の要請が高まったとも云えます。東北地方は、常磐自動車道路の全線開通、三陸沿岸道路の全線開通に向けての順調な事業進捗、仙台地下鉄東西線の開業、北海道新幹線の開通など、ここ2~3年で急速に整備が進むインフラを活かし、既存産業の再構築と新たな産業誘致等、大きな転換点を迎えております。
大型放射光施設や超大型加速器の国際リニアコライダーの誘致、原発廃炉研究拠点等の実現により、東北経済の発展に期待を抱くと共に、日本のデフレ解消に繋がる観点からも、産学官が長期的な視点で連携することが必要であります。
公共事業費をさらに増加させ、東北を守り、限りなく成長させるために、当支部はその役割を果して行く所存であります。
皆様の更なるご支援・ご指導をお願いし、ご挨拶といたします。

 

 

平成29年5月