令和4年度事業計画

事業の方針

はじめに

 令和4年1月から全国の広い範囲で実施されていたまん延防止等重点措置は、3月21日をもって全ての都道府県で終了しました。しかしながら、感染状況や医療への負荷等は改善基調にあるものの、3月末時点の新規感染者数は依然高止まり状態が続いています。
 この状況を踏まえ4月21日の令和4年度支部定時総会は、前年度に続き、通常形式での開催を断念することにいたしました。
 なお、東北地方整備局長に依頼しておりました同日のご講演や、総会後の懇親会については、3月中旬の段階で既に中止を決定しています。

 人類の歴史は、天災、疫病、飢饉、戦争等の苦難が繰り返されてきたと云われますが、令和4年はそのことを改めて感じさせられる1年になっています。
 しかし、どのような厳しい社会環境においても「事業の継続が求められる業種(業界)」として、我々は安全・安心、活力のある社会の構築と持続可能で夢のある未来に貢献していくことが求められています。
 直近では、3月16日深夜に震度6強を観測する福島県沖地震が発生しました。
 当協会東北支部には、東北地方整備局や宮城県から災害協定にもとづく災害復旧調査等の支援要請が相次ぎました。年度末の繁忙期と重なるため、時期的に非常に困難ではありましたが、ご対応頂いた会員企業様に対し、この場をお借りして感謝申し上げます。

業界を取巻く社会・経済環境

 東日本大震災から11年が経過しましたが、東北地方太平洋側では、昨年に続き今年も上述の震度6クラスの地震が発生するなど、警戒が続いています。
 また、令和元年東日本台風をはじめとする豪雨災害も激甚化かつ頻発化しています。
 災害協定にもとづく当支部への支援要請も増えていることから、現在宮城県や福島県と災害協定の見直しについて協議を行っています。
 令和元年6月に改正された品確法により、災害対応の強化と建設コンサルタント等を含む建設産業の担い手確保・育成の枠組みが整備されました。法の趣旨に鑑み、働き方改革と生産性向上を図りながら、我々は災害に強い国づくりを担っていくことになります。
 「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」による公共投資は、全国的に順調に推移しています。これだけの事業規模が示されたことは国家的課題として認識されていることの表れであります。
 我々も円滑な事業が行われるように積極的に取り組んでいくと共に、適切な予算が東北地方にも確保されるよう強く要望していきたいと思います。
 来年度からのBIM/CIM原則適用(直轄)が迫る中、令和4年度は建設DXに拍車がかかる1年になります。BIM/CIMや建設DXが進むことで、業務効率が向上するばかりでなく、この業界を目指す若い人が増えることになれば、働き方改革や担い手不足という懸案事項もいずれは解決できるものと期待しております。

入札・契約制度の改善

 人材が集まり、魅力ある産業とするためには、仕事の内容だけでなく、処遇を良くし、誇りを持って働ける産業にしなければなりません。それには価格競争から脱却することが不可欠です。
 東北各県との意見交換会では、現在考えられる最善策として、総合評価落札方式やプロポーザル方式の入札契約制度の導入を要望してきました。
 各県とも技術力競争の必要性には理解を示し、制度は導入しているものの、実際の発注が進まない県もあることから、改正品確法の趣旨に則り、引続き要望と提案を行います。
 東北地方整備局には、受注企業の集中を回避することを目的とした一括審査方式の採用や、地域コンサルタントの成長を促す共同設計方式、さらには地域要件等の枠組みについても積極的に提案しております。
 東日本大震災被災地の復興道路や、街づくりなどの整備を早期に行うために活用された事業促進PPP方式や、CM方式による復興街づくり事業は、その効果が実証されており、発注者の人員不足の解消策として、活用領域拡大が期待されます。これらの入札契約制度について、今後の効率的な予算執行や、制度の有効性や課題等を分析・検討し、業界として採算性を確保できる制度となるように努めていきます。

 上述のような認識のもとに、本年度の事業方針を以下に示します。
 具体の事業活動は各委員会・部会の事業計画の通りですが、本年度も、新型コロナウイルス感染症拡大防止に最大限努力するため、活動の中止、延期、縮小が生じることを予め申し添えます。

[令和4年度事業の方針]

1.東北地方の社会資本整備の担い手として、東日本大震災被災地の復興・再生を今後も支援していくと共に、住民に豊かな生活、地域の安全・安心が保てる社会資本整備の必要性を訴えていく活動を継続します。
2.魅力ある建設コンサルタントを目指し、受発注者協同による健全な労働環境の改善による働き方改革を実現し、担い手が集う環境の整備を進めます。
3.近年の災害の激甚化・頻発化を踏まえて、災害協定に基づく連携を強化するため、協定内容の見直しや訓練等を継続的に実施します。
4.プロポーザル方式及び総合評価落札方式において、技術力を重視した方式や地域企業の参加可能な方式などを具体的に提案することにより、入札契約制度の改善を推進します。
 また、本年、国発注の総合評価落札方式において、賃上げ実施企業を加点評価する措置が導入されたが、実績評価の際に混乱が生じないよう引き続き情報収集と会員企業への速やかな情報共有に努めます。
5.価格競争方式においては、地方自治体における低価格調査制度と失格基準の改善などを提案することにより、適正な競争制度の確立を目指します。
6.会員企業が優良な技術と知恵を持続的に提供し続けるために、技術者育成と更なる技術力向上に取り組みます。
7.建設コンサルタントの事業領域拡大のため、発注者支援業務への積極的な取り組みと、PPP/PFIやCMなど新たな業務領域を提案すると共に、コンサルタントの多様な活用方法と品質向上実現のために、設計共同体方式の更なる活用を提案します。
8.不当な取引制限や不当な低価格競争等を排除し、コンプライアンスを遵守します。